親の行動が子どもを育てる
子どもをしつけるために、どんな言葉をかけるか? その前に、親がどう行動するかが大切です。
子どもは無意識のうちに“親の背中”を見て育ちます。
しつけのリアルなシーン
親子の会話を例に考えてみましょう。
例:20歳の息子との会話
ママ: 「大学もろくに行かないで、酒ばっかり飲んで。最近はタバコまで格好つけて吸いやがる。」
息子: 「うるせーなー。父ちゃんも母ちゃんも酒飲んでんだろっ。」
ママ: 「酒は飲むけど、タバコは吸ってないわよっ。」
例:12歳の小学6年生長女との会話
ママ: 「塾に行くって言ってたのに、休んで遊びに行ってたでしょ。 ウソつくんじゃありません!」
長女: 「ママだって“ウソ”つくじゃん。 前にスマホ買ってくれるって言ったのに、買ってくれないじゃん。」
親の影響は大きい
「親の背中を見せる」という言葉の意味を考えたことがありますか?
私の人生に影響を与えた恩師
高校時代の担任「橋本先生」
私が人生の中で影響を受けた人は、高校の担任の橋本先生です。
高校卒業後約30年、毎年お年賀状が届きます。
コロナ前は月に1度、先生とお茶を飲む機会がありました。
先生の行動から多くを学び、思い出は今でも心に残っています。
その際、先生はいつもこう言います。
「お前さんは、授業中寝てばっかりいただろっ。でも、息子たちは元気でやっているか?」
「ご主人さんよ、お仕事大変だろ。 お前さん、ちゃんとねぎらってんのか? 大事にしろ。」
「お母さんは元気か? いいか? 親孝行ということをするのは、人間だけなんだ。 哺乳類で唯一、親孝行できるのは人間だけだぞ。」
怒りながらも、わたしのことだけではなく、三つ子や家族のことを気にかけてくれます。
恩師との思い出
三つ子が8歳の時、神宮球場で初めて橋本先生と対面。
橋本先生:「おー、元気そうだな。 野球が好きか?」
三つ子:「はい。」
橋本先生:「野球がうまくなる秘訣を二つ教えてやる。野球ができることに感謝しろ。飯を食え。 これだけだっ。」
人生の教訓
橋本先生から学んだことは
- 縁を大切にすること
- その縁を言葉と行動にすること
- 謙虚であること
- 近くの人を大事にすること
言葉だけでなく行動を通じて伝わるものでした。
親が背中を見せることの大切さ
親が口出しせずに解決する方法の一つは、「親が背中を見せること」です。
- 勉強(ママが自分の好きな勉強をする)
- 髪型(自分のスタイルを持ち、清潔感を意識する)
- 寝る時間(規則正しい生活を実践)
- 食生活(バランスの良い食事を心がける)
- 服装(TPOを意識する)
- 友達の選択(悪口を言わず、良い関係を築く)
- 風呂のタイミング(誰かに言われる前に自分で考える)
- 部屋の環境(整理整頓を意識する)
まとめ
ママのイライラを「最強の叱り方」で伝えても、 子どもに理解されず、 「別にいいじゃん。オレの勝手でしょ。」 と思われることがあります。
参考:最強の叱り方・子どもの行動を受け入れるための親の心構え
そんな時こそ、自分の行動を振り返る。
言葉ではなく、行動で示してみる。
これが「親の背中を見せる」ことの本当の意味です。
最後にママの学校の礎となっている「親業」の開発者であり、アメリカの心理会社であるトマス・ゴードン博士の言葉をご紹介します。
子どもが親をクビにすることが、ますます増えてきている。
なぜこういうことが起こっているのか?
(中略)
親の態度ゆえに子供が家庭を放り出した、と考えるべきだと思う。
・・「親業」トマス・ゴードン著 大和書房・・