~あなたメッセージからわたしメッセージへ~
子どもが「学校に行きたくないな」と言ったときに、親が言ってしまいがちな「やる気のなくなる言葉がけ」を別のコラムでご紹介しました。これらやる気がなくなるNGな言葉がけには、たいてい“あなた”が隠れています。
つまり「あなたメッセージ」です。
こんな具合です。
「(あなたは)文句ばかり言っていないで、さっさと行きなさい」
「(あなたは)ちょっと嫌なことがあると、すぐ弱音を吐いて、怠けることしか考えてない」
「じゃあ、(あなたが)行きたくないなら、行かなくていいよ」
あなたメッセージで子どもを責めてしまっていますね。
これを「わたしメッセージ」に変換すると子どもが受けとる印象はがらりと変わります。ここでは「あなたメッセージ」と「わたしメッセージ」の違いを感じてみましょう。
ケース① 宿題がたくさんあり、残っている。
あなたメッセージ
「宿題やりなさい!結局やらないで、困るのは、あなたよ。もう知らないからね」
わたしメッセージ
「宿題が半分残っているのを見ると、ママ、心配になる」
ケース② リモートワーク中に子どもが、「ねえ、これ見て!」とパソコンの上におもちゃを乗せてきた。
あなたメッセージ
「ちょっとやめてよ!仕事中なんだから!(あなたは)あっち行ってて!」
わたしメッセージ
「ママ、大事なお仕事で急いでお客さんにメールしているの。今、遊んでと言われると、遅れちゃって、困るんだ」
ケース③ お風呂の時間にまだ遊んでいる。お風呂に入ってほしい
あなたメッセージ
「早くしなさい!(あたなは)何回言わせるの!」
わたしメッセージ
「ママは22:30に寝たいんだよね。ママのお風呂も遅くなって、その後に洗濯をすると、ママは寝る時間が遅くなるんだよね」
「わたしメッセージ」を通して、ママが本当はどう感じているかを知ると、驚く子もいるようです。ママの状況を理解してもらうためにも、“わたし”を基点にした言い方を心がけてみてください。
ここで、ま、いっか母ちゃんの「あなたメッセージ」失敗談をご紹介します。
免許を取得してまだ1か月の次男、海(かい)が「オレ、サークルの友達を乗せて福島まで車で行くわ」と言った時のことです。
あなたメッセージ
「あんた、殺人者になるよっ!」
思わず出てきたやる気のなくなる言葉がけ。私は息子と友達の命を心配しているのに、出てきた言葉はひどいあなたメッセージでした。次男海(かい)は、「は?」と言ったまま、いなくなりました。
反省した私は、後で「わたしメッセージ」で言いなおしました。
わたしメッセージ
「お友達も乗せるし、事故にあうんじゃないかと思って、心配なんだよ」
変換するだけで素直に聞いてもらえます。