~サインをキャッチ~
子どもが怒ったり不機嫌になったりしているときに、どんな言葉がけをされていますか?
イライラしている時は、その裏に子どもが困りごとを抱えているケースがほとんど。だから、親がそのサインをキャッチしてあげること。それが良好な親子関係をつくっていくためのポイントです。
サインは「事実」の中にあるので、まずは、「うちの子って、怒るとこんなことするよね」と観察することから始めましょう。
たとえば、
●子どもがブロックで遊んでいて、作りたい形ができずブロックを投げる。
●兄弟喧嘩が始まり、兄が弟の肩をたたく。
●オンラインでの会議中に、子どもが部屋に入ってきて、「おなか空いたー」と言った。
ここには、「事実」が書かれていますね。
この事実の中では、誰がイライラしているでしょうか?
→子どもがうまくいかなくて、物を投げる。
→喧嘩して兄が弟をたたく。
→子どもがおなかを空かせている。
イライラしているのは子どもです。
こうした状況で親がよくかけてしまうNGな言葉がけは、
「喧嘩しないの!」「なんで投げるの!」「今、ママは、お仕事っていっているでしょっ!」など。
子どものイライラを見て、ママが自分のイライラに換えてしまうわけです。ですが、ここは我慢です。子どもが困りごとを抱えているのですから。
子どもがイライラしたり、困っている時に、説教言葉は子どもには全く届きません。それどころか、変換されたママのイライラを受けて、子どもがイライラを再変換してレゴをもっと投げることさえあります(笑)。
NGな言葉がけが繰り返されると、お子さんが思春期になったときに「うるせーババ―!」と逆ギレされることになったりします。 そうなった時に初めて、「私の子育て間違えたかしら?」「どう言ったら分かってくれるのかしら?」と親子の関係性に悩むことになります。
思春期には、こんな事例もあります。
――
13歳の頭が良くてかわいい女の子が、家出をした後カウンセラーのもとへ。母親との関係について、印象深い話をしました。
「本当に小さなことについて、何も話せないようになってしまったんです。
学校の勉強のこととか。
テストが良くできなかったような気がして、母にできなかったって言うでしょ。
そうしたら
「どうしてできないのっ!」って言って私を叱るんです。
だから、私は”本当のこと”を言わないようにしたんです。
ウソをつくのは好きじゃないけど、ウソをつくようになって、だんだんウソをついても平気になりました。」
「親業」大和書房P34より
――
まずは、事実を見て子どものサインをキャッチしてください。
①だれがイライラしているのか?考えてみましょう。
②子どもが何か困っているなと感じたら、子どもがする行動、口にする言葉をキャッチしてください。
イライラの裏にあるサインをキャッチするというと難しく聞こえるかもしれませんが、これ、ママなら100%できます。なぜなら、お子さんが赤ちゃんのときには、みんながやっていたからです。
授乳から3時間経って泣いていれば、赤ちゃんはおなか空いたんだなとキャッチします。昼過ぎに泣き始めれば、眠くなったんだなと察します。突然泣けば、うんちして気持ち悪いかなと考えてあげるという具合にです。
おもちゃを取られて床をたたいて泣いていたら、子どもが困っているのだと、サインをキャッチしてください。サインのキャッチが、子どもとの信頼関係を築く第一歩になります。